昨年亡くなった渡辺淳一先生の作品です。
ほかにも失楽園のような話題作はたくさんありますが、
これに関してはずば抜けて主人公が魅力的なんです。
といっても主人公は出てこなくて、
主人公に関わった人が主人公について語るというスタイルになっています。
実際にどんな人物だったのか最後までつかみどころがないのが良かったです。
主人公は結局自殺を図るのですが、その理由も最後までわからずじまいです。
それが面白いところなんですね。
渡辺淳一先生の若い頃の話なので時代はかなり古いです。
しかし、いま読んでも古さを感じさせません。
高校生の時にこの本で読書感想文を書きました。
いま思えば中二病みたいな感じでしょうか。
だいぶ大人向けの本のはずです。